ミニマリズム(Minimalism)という作品です。
※リンクは 作品ではなく、ミニマリストのWebサイト
ドキュメンタリーなので、映画としてのエンターテイメント性はあまりないけど、そのメッセージ性にはぐっと共感できます。
これは単純に自分の思いとか、嗜好によるものなのかもしれないけど、素晴らしい映像作品です。こんな作品を月額980円で見れるなんて、この時代に生きる我々は幸せモノです。
amazonで見つからなかったので、もしかしたら一部でしか見れないのかもしれないけど、 NHKなんて見なくても(受信料なんて払わなくても)、いい作品にきちんと対価を払っていけばいいと思います。まぁ1ヶ月とかだったらNetflixも無料視聴やってますし。
現代の大量生産大量消費に疑問を投げかける作品です。色々と考えることがありました。私には珍しくもう一度見てみようと、見た後に思える作品です。
その服、家電、車、本当に必要?
作品の冒頭にブラックマンデーかなにかで店の前に押し寄せる大群(もはや行列ではない)が映し出されます。それで彼らは何を買うんでしょうか?ブランド品?おもちゃ?電化製品?
もしかしたら普通よりも半額以上の割引率かも知れませんが、それだけであんな狂気に満ちた集団に成り下がってしまうんですね、人間はこわい。
行列に数時間待ち、あわや怪我でもしそうな大群に身を委ね、中では商品の奪い合いに興じる。そこにその割引だけの価値があるんでしょうか。もちろん買えた時は一時の快楽というか、刹那的な喜びはあるかもしれないけど、まぁ遅くとも1週間も経てば元の生活でしょう。
現代はあらゆるところに広告、宣伝があって、常に新しいサービス、商品を教えてくれます。中には誇大広告といえるものも少なくない。というか広告とはそもそも何かを強調しているので、「広告の半分は嘘で出来ています」ぐらいに思っていたほうがよいのかもしれず。
ミニマリストという考え
ミニマリスト、つまり最小限のもので生きる人という意味。なんかそれは原始人のような気がしないでもないけど、これはみんなで消費を捨ててハッピーに生きようというような、世捨て人的な発想ではないです。
何を取捨選択すべきか悩み、本当に必要なものだけ持とうという考え。
本が必要なら本を、車が必要なら車を持てばいい。ただ単にいい車、いい服、いい家に住むことがいいことだ、勝ち組だという固定概念に疑問を持ちましょうということであり、消費それ自体で幸せになれるとは考えないということ。
あくまで消費のその先にある結果に常に目を向けましょうということ。
※私の解釈がたぶんに入っていますが、それほど外れてはいないと思うのです。
実際にミニマリスト代表の二人もPCも使うし、車にも乗る。ただ必要とする量が明らかに少ない。
ウサギ小屋に住んでいる日本人は既にミニマリスト候補
他のミニマリストの中には小さい家に引っ越す人も紹介されます。うさぎ小屋に慣れ親しんだ日本人からしたら、ある意味普通!と思ってしまいましたが、彼らはその小さい家に最小限の生活雑貨で生活する。
お金が無くて狭い家に住んでいるんじゃない、もともと100㎡以上にすんでいたような人が、あえて狭い家に住む。しかもそれ用の家まで設計されている様子。
日本は元々家も狭い。そうしたらもっと何が必要で何が必要でないか考えて、世界の先進を行くことも出来るんじゃないかと思ったり。
モノを小さく、コンパクトにすることに関しては一日の長のある日本の技術。あとは生活そのものを小さく、少なくすることに注力できないのだろうか。
子供にミニマリストになることを教えられるか
作品の中にはメインとなる2人以外にもミニマリストとして何人かが登場するのだが、その中で2人の子供を持つ人は言う。
「息子はおもちゃを捨てたよ」と。
「ただ娘は色々集めてくる」と。
娘の方は収集癖があるため、ぬいぐるみに始まり、鍵やら、木の枝を集めてくるのだという。
でもよくよく考えるどちらも幸せだなと思う。
片や限られたおもちゃで幸せを感じ、片や木の枝を集めることで心の充足を得られるのだから。子供のうちはある程度無駄な消費をしていくなかで学ぶものもあるだろうし、何より大人が宣伝に洗脳されて買うのとはわけが違う。本能的に木の枝を集めたいんだ。
少なくとも子供にとってはモノが幸せを感じる大きな手段になりうるというのはあるかもしれない。ただ難しいのはどの段階でそれだけではダメだということに気づけるか、なんだけど。
いかに親が自分をコントロールできるか
やはり子供にどう教え込むかではなく、親自身がきちんと自分をコントロールできるかが重要でしょう。
よく子供にばっかり勉強しろといいながら、自分は勉強しない親とか、子供にどうやって本を読ませようかとかいいながら、自分は大して本を読まない人とかいるけど、まずは自分が実践するというのは当たり前の話でしょう。
単に子供に欲しいものをあげるのではなく、その先の何をするために必要なのかを本気で考えるトレーニングを、自分もやりながら子供にも実践していきたいところです。
うちの子はまだ小さいから、とりあえずアンパンマン煎餅を食わせておけば満足なんだけど、
そのうちキャラクターのかばんとか、友達が持っているという理由だけで何かを欲しがる時もくるでしょう。
そこは、今この服を買ったら、このおもちゃを買ったら、自分はハッピーになれるかを本気で考えて、まぁそれでもOKと思えるんだったら買えばいいし、それだけの収入を得るためにがんばらないといけないんだよというのをきちんと話していこうと思います。
翻って自分はどうか。
純粋なミニマリストではないけど、ミニマムリストしたい人ぐらいにはなっているのかと思う。だいぶ昔に比べたらものを買わなくなった。
服、靴なんてほとんど買わない。昔は休みのたびに買い物にいってたから、その資産?負債?はだいぶあるけど。今でも見に行けば欲しくなるのであえていかない。
テレビも見なくなった。もう持たなくなって7年は経つかな。
でもパソコンはあるし、IPhone7は買った。本もすぐに買ってしまうし、そろそろかばんが欲しいと思っている。これらは本当に必要とは言わないけど、生活のストレスを減らすという観点で買っている。
ちなみに革靴、スーツを買ったけど、こんなに高いのにハッピーになれないものを買っている自分には残念です。これもあって早くサラリーマンから抜け出さないと、と思うわけです。
少なくとも自分が必要だと思うものに投資したい。
でも本当に必要なものを買うとき、それを使って、これ買って良かったな、と思えるときはそれはそれで幸せだと思ったりもします。
わっしょい