おすすめ本:生きる場所を、もう一度選ぶ 移住した23人の選択

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23人の移住という人生の選択を追う作品。

よくある移住礼讃、移住サイコーというような移住お勧め本ではなく、単にこういう23人がいますよ、という紹介本だけど、なかなかに良い作品。

押し付けるような文体ではなく、淡々としているので、実際は凄い方達で、大変な思いもされていると思うけど、その偉業よりも、どういった想いか、どういったきっかけがあってここにきたのかが分かる、じんわり胸に響くなー。

自分を知るということ

ここで紹介されるみなさんは自分のことを分かっている。どういう事が好きで、どういう事が嫌いか。

もちろん最初からそうであったわけでなくて、段々と移り変わって今という場所に来たのだろうけど、人はなかなか自分を変えられるもんじゃない。

移住するに当たっては、夫、妻の実家だったとか、たまたま行った場所が良かったとか、それは運の要素しかないわけだけど、そこに出会ったときに、今の自分にはこれだなと素直になれる、そういう方々。

意外とそういう事が出来る人というのは現代社会においては少数派なんじゃないかと思ったり。

世間の当たり前に疑問を持つ、自分の軸を持つということ

それは世間の当たり前と自分の当たり前を混同するのが今の世の常識だからなのかな。

文化というような高尚なものから、単なる慣習まで、我々はやらないといけないと”思っている”ことが多々あって、それを崩すのは並大抵じゃない。

クリスマスはクリパするし、正月はおせち食べるし、お年玉も欲しい(残念ながらもう貰う年じゃない)。

東京での通勤することは普通だし、スーツ着るのだって普通だ。

1日3回食事するのも、目が悪くなったらメガネかけるのも普通。

でもこれら普通をしないとだめだという法もない。

それなりの不便、軋轢があるかもだけど、それでも自分の考える必然、例えば食事の回数を減らしてみるとか、革靴をスニーカーに代えてみるとかで、新しい何かが得られるかもしれない。

移住するということ

そして移住という選択。

要は一個一個世間の常識を取っ払うより、とりあえず住む場所変えることで、全部変えられるから楽チンということだと思う。

この世は複雑すぎて、その一つ一つを変えて行くほど、我々の人生は長くはないのです。

ここに紹介されている方のほとんどが一度は都会に憧れを抱いて、それなりの年月を都会で過している。

そして少なからず都会での生活を楽しんだと思う。

だから別に一つの場所に住むという事が必然ということでもないんだろう。

世捨て人になるということ

別に移住するイコール世捨て人になるということではない。

むしろ積極的に、地域、社会とのつながりを持っている、もしくは持とうとしている。

だってそうしないと食っていけないから。

でも会社に入っていると、別に繋がりなんて持たなくたって、この資料作っていれば、この会議に出ていれば、とりあえず食っていくだけの給料はもらえる。

下手したらサラリーマンという選択が、一番世捨て人に近いかもしれない。

成功と失敗の間で

ここに紹介される人達は、取材されるぐらいの方々だから、移住組としては成功者といって言いはず。

でもそこに行き着くまでに何度も移住する人もいるだろうし、今が人生の最終地点でもないはず。本の最後に紹介されているが、火事で移住後に蓄積した全てが最近焼けてしまったという方の話もある。

でも全ては気の持ちよう。

もし嫌なことがあっても、この場所はちょっと合わないから他に移動するとか、接し方を変えてみるとか、楽観的に、一生懸命になれる人じゃないと、移住ってのは成功しないやね。

言い訳だけの人生は苦しい。

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最後に

一応数年内に移住予定。

個人的には移住って響きはなんか違って、ただ必要なところに引越しをするってだけなんだけど。

まぁそういう意味では、東京で引越しを繰り返す人も、移住を繰り返すのと同じか。

ただ”沖縄に引越し!!”じゃ単なる作業で、画にならない。

やっぱり”XXへ移住!!”の方がぐっと来ますね。

わっしょい


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