おすすめ本:「奇跡のリンゴ」木村秋則という生き方に学ぶ

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さて何から書けば良いか。

奇跡のリンゴ。

青森県のリンゴ農家木村秋則さんの、無農薬無肥料栽培を実現するまでの奮闘記。

と言ってしまうと、何か身も蓋もなくて、流行りの「無農薬栽培ね」で片付けられてしまうかもしれないけど、この木村秋則さんの生き方はすごいの一言に尽きる。

世の中には知らないことだらけ

そもそもリンゴの無農薬無肥料栽培がこんなにも難しいものだとは知らなかった。もちろん無農薬栽培が農薬栽培よりも難しいことは、素人にだってわかる。

でもリンゴは他の野菜に比べると別次元の難しさらしい。

というのも、リンゴそれ自体が農薬を前提に日本に根づいた農作物であるからなんだけど、そんなことも知らなかった。

恐らく他の果物、野菜、いろんなものがいろんな人の手を経て、美味しかったり、病気に強かったりするのも、そういう努力、過程を経てきたんだろう。

思いを馳せずにはいられない。

自然をあるべき姿に

作中にも出て来るが、結局はリンゴを自然のあるべき姿に戻すというところなんだけど、これは難しい。

なぜって自然は人間とは生きる時間の流れが違う。

人間は1日、1月、1年とベースに生きていて、長くても100年もすれば個人の一生は終わる。

でも自然は違う。リンゴはそんなん知ったこっちゃない。

今年疲れたと思えば、今年来年と休んで、再来年に実をつけるかもしれない。

でもその実は小さくて売りに出せるものではないかもしれないし、そもそも生態系が一旦狂ってしまったものともなれば本当に数年後に実を出すかはリンゴのご機嫌次第。

かと言って2年も、3年も実を出さないリンゴを待ち続けるのは、人間の時間感覚から言えば到底待ち続けられるものでもない。

だから無農薬が良いよねっていうのはしょうがないと思うんだけど、だからって安易に農薬を使っている人を批判は出来ないわけで、どこに自然と折り合いをつけるだけかっていう話。

それこそ、その数年分の働きと、生産性の低下を食べる側が負担しないとイケないはずなんだけど、人間自分が一番可愛いからね。安全なものでも、値段は安く買い叩くんだ。

NHKプロフェッショナルもあるけど本が良い

実は映画はまだ見ていないので比較はできない。噂によれば映画も相当にいいらしい。

NHKプロフェッショナルは見たけど、正直ちょっとイケてない。最近全体的にプロフェッショナルは、うーんって感じだな。

少なくとも、スタジオでのトークはいらないし、無駄に感動させようとしているのが鼻につく。

とりあえずそんなわけで、本が絶対的に良い。

またまた実を言えばKindle Unlimitedの一部だったから、何となく読んだだけではあるんだけど、やはり書籍のほうが情報量は圧倒的に多い。

世に出れずに終わる人も数多くいるはず

この木村秋則さんのリンゴ奮闘記は8年にも及ぶ。

その間食うにも困り、出稼ぎをし、村八分にもされ、自殺を試みようとも思う程に追い込まれる。

そう考えると、もしかしたら世の中には相当頑張ったけど、世に出られなかった人もいるかもしれない。というか相当数いるはずだ。

仮に10年頑張れば実ったとしても、5年で止めてしまう人、9年で止めてしまう人、1年で止めてしまう人。

単に心が折れる人もいれば、家族を優先して、身体を壊して。

理由は諸々あると思うけど、単に想いが足りないなんて言えるわけもなく、この木村さんにしたって、あと少し何かが違っていたら、こうはならなかった。

木村さん、経歴もすごい。

リンゴ農家の次男に生まれるも、次男であるがために元々興味のあったエンジニアになるために神奈川県は川崎でキャリアをスタートさせる。

若かりし頃はバイク、車をおもちゃにしていて、何よりも効率を重んじるタイプだったらしい。

なんだかんだで青森に戻り、婿養子として農家になるきっかけのひとつも、トラクターのエンジンむき出しの武骨な感じが良かったんだと振り返るほどの機械好き。

それがリンゴ農家に転身というかUターンして農家になってしまう。

多分この人、生まれる場所が場所なら、学者か、起業家にでもなっていたんじゃないかな。

最後に

自分は木村さんのようには出来ない。

断言出来る。

でも自分にしか出来ないやり方もあるはず。と思うことにする。

自分のやり方で、自分のやりたいことを実現すべく頑張るしかないやね。

わっしょい

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