久々にいい映画。
実は最近4本映画を観て、なんとそのうち3本は最後まで観れなかった。もしかしたら最後にどんでん返しが待っていたかもしれないけど、途中まで見て面白くなる要素なかったから萎えた。
一応全部それなりのレビューを得ているのは確認しているんだけど、なかなか難しい。好みもあるし。あんまりフィルタリングし過ぎるのも、面白い穴場作品を見逃してしまいそうで怖いし。
何はともあれ一つでもいい映画があれば私の人生は救われる。
最後に残ったこの作品、ハドソン川の奇跡。実話という背景もさることながら、事実を淡々と語りながら、登場人物の心理描写にフォーカスするあたりは、さすがクリントイーストウッド監督。
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これが実話!?
やはり何と言ってもこの話が実話だというのが凄い。しかも事故の状況を調べてみる限りは、かなり実際の状況に近い模様。
実際に、事故に遭遇した(飛行機に乗り合わせた)日本人2人(そもそもあの事故に日本人が入っていたというのは知らなかった)にこの映画の感想を聞いたらしいのだが、高評価らしい。
映画で実話と言っても、題材にしただけで、実際は結構違うというような話しがよくある。映画なので多少なりとも脚色するのはしょうがないとは思うし、何なら実話から着想を得て、全く新しい作品にしたっていいわけ。
でも実話を売りにしていながら、あまりに実際とかけ離れているとがっかりするのも人情というもの。
たしか本作品主人公のトム・ハンクスが主役を演じるターミナルはそんな話を聞いたような、、。
ハドソン川の奇跡
さて本作品は2009年にアメリカ、ニューヨーク市のハドソン川に飛行機が不時着した、あの事故を題材にしている。
あの事故といいながら、私もそんな話があったかどうかうる覚え。遠い異国の話。そこまで細かいところまで注意深く見ていなかったと思うし、何よりそこまで興味を持っていなかった気もする。
普通に考えてまず飛行機が、しかもアメリカ(先進国)で運行されるような飛行機が不時着水ってありえないのだが、これは普段飛行機に乗らなかった当時の自分にとっては他人事以外の何者でもない。
飛行機の落ちる確率
ただ出張やら旅行やらで飛行機に頻繁に乗る機会のある現在、他人事とは思えないところもある。
ちなみに飛行機に乗っているときにこの作品を見た。なんと言う怖いもの知らずさ。お陰で何度もお腹に力を入れる羽目に。
しかしながら実際は飛行機なんてそうそう落ちるものじゃない。よく車の交通事故死亡者と比較されるが、確率論から言えば交通事故にあう確率(死亡確率)の方が高い。でもそういうことじゃない。
100万回飛べば航空会社において差はあれど、数回は落ちてもおかしくないという確率らしい。100万回飛ぶ人なんてこの世にいるわけないけど、それは自分が100万回乗るということじゃないし、100万分の1が最初にくるかもしれない。
航空会社は毎日毎日運行しているわけで、自分がその中の数回に入る記念すべき?乗客にならないとは誰もわからない。
どんな組織も意外と大したことない
ただこの映画のほとんどは事故そのものではなく、その後の事故調査部分がメインといえる。
不時着水で結果的には死亡者ゼロとなり、賞賛を浴びたパイロットではあったが、事故調査委員会よりシミュレーション上は普通に最寄の空港に着陸していれば、大事にする必要はなかったという意見が出てくる。
いやいや、そうかもしれないけど、それは言ってやるなよ、という気がしないでもないが、今後同じような事をして大失敗をしでかすやつがいないとも限らないから反省は大事。
ただこのシミュレーションってのが片手落ち。シミュレーションって割にその時の状況は考慮されず、単に事故が発生してすぐに戻り始めるというモノ。普通そんなにしっかりとした組織の専門家だったらその時の状況を忠実に再現するんじゃないか、と思うもの。
しかしながらその想定は見事に崩される。
まぁ最後はその矛盾にパイロットが気づいて問題は無かったのでほっと一安心だが、下手したらこのパイロットはまた地獄へ突き落とされるところだったわけだ。
どんな組織も意外と大したことない
子供の頃、世界はもっと完璧なものだと思っていた。
学生の頃、会社はもっと明確なルールに従って運営されていると思っていた。
社会人になってもなお、会社組織には共通してやるべきことがあると思っていた。
でも実際は違った。
やらないといけないと思うことでも無視する人は多くいるし、組織としてそれに何も言わない場合もある。
社会なんて不完全で矛盾だらけで正直者が馬鹿を見ることが多くある。
だから一見すると権威ある組織、人が言うことでも疑問を持って聞かないといけないんだということなんだろう。
良い映画には学ぶところがある
そういう意味でも良い映画、好きな映画には学ぶところがある。
そりゃそうだ。つまらない映画でどれだけ良いこと言ってても、そんなん何にも心に響かない。
嫌いな上司の助言が耳に入らないのと同じ。
多分映画側はそんなん気にもしていないだろうけど、こっちは勝手に映画の中の人生色々を教師に、または反面教師に学んでいく。
わっしょい