先日、同僚の人(女性)が、「なんで世の中にはイクメン」なんて言葉があるんだと、憤っていらした。
他の同僚女性とも意気投合したらしい。
まぁこれは、過去の経緯(現在も含む)として男性が育児に参加してこなかったのは事実です。
でもそれは段々と変わってきた時代情勢の現れとして、この言葉が世に出てきただけで、それ自体は十分ではないけど、良い変化として受け止めれば良いと思うのです。
と、個人的に思うところはあったが、別にこの人は解は求めていないし、ただ喋りたいのだろうから、その場ではもちろんそんなことは言わないけど。
その流れで女性はいつも不利だ、と。お互いフルタイムで働いていても、育児は母親の仕事で、、、、云々と愚痴を仰られていた。
男と女という対立軸にする無意味。
なんで世の中は男と女という対立軸にしたがるんだろうか。
そりゃ男と女は生物学的にも、性格的にも、社会の位置づけも違うでしょう。でもだからって競争相手にしなくてもよいだろうに。
男と女しかいないんだから、共存すべき相手として、どうやってお互いがハッピーになるかを考えるべきなのに。
そりゃ一般論として、女からしたら男は仕事でも優遇されるし、育児は女ほどはしないしというのはわかる。でも言い換えれば男の方が仕事でのプレッシャーは大きいし(あくまで一般的論として)、本当は家庭に時間をかけたい男がいたとしても、社会的には男は外に働きに出ないといけないというレッテルが貼られているから、例えば専業主夫がいたら奇異な目で見られるでしょう。
お互いに言い分はあるし、隣の芝生を青く見えるけど、とりあえず自分のパートナーと最適解を目指す以外に道はない。
愚痴を言いたくてそれで鬱憤が収まるならそれはそれでいいけど、それをいろんな人がいろんな場所で繰り返すと、どうやって女が勝つか、男が勝つかという、変な方向に社会が動くんじゃないかと思ったりもする。
本当に社会問題を話したいわけじゃない
「今の社会は、、、」という話をする割にみんな本当にそう思っていない。
本当に社会に対して問題意識を持っているなら、それは別にいいというか、素晴らしいんだけど。結局みんな自分の家庭の話をしているだけなんです。
だったら話すべきは社会の話ではなく、あなたの家庭の話。
旦那が育児をしないのを、妻が外に働きに出て稼がないのを、社会のせいにしたら駄目です。それは社会問題ではなくて、あくまで個別事例。
もちろんその根底には社会があり、会社がある。でも妻がどう思っているのか、旦那がどうしたいと思っているのか。本当に家事、育児に参加したいけど、仕事が忙しすぎてそれどころじゃないんだったら、調整すべきは仕事。
社会の話は大きすぎてすぐには変えられないけど、そこだって家庭に目が向かない人に変えられる話じゃない。
メディアは怒りを助長してナンボという事実
以下のようなマンガがSmart Newsに流れてきました。
だから結構な数の人が見ていると思うんですけど、正直良い気持ちがしないマンガです。
「褒められたくて育児してんの?」夫の一言 夜廻り猫が描くイクメン
私の読解力不足なのかもしれないけど、このマンガの本当に言いたいことがまずわからない。
タイトルからして旦那が褒めて褒めてと言っているようで、旦那を批判しているのか。
それとも作品の最後に以下のようにまとめているので、そのとおり助け合える家庭を増やすきっかけにしたいと思っているのか。
でも作者は本当にそう思っていない気がする。もし小さい問題のある家庭があって、このマンガをベースに会話したらケンカにしかならない気がする。
「育児や家事について笑顔で話して助け合える家庭はすてきですよね。そんなきっかけに使ってもらえたらうれしいです」
少なくともこのマンガの中では旦那は悪いことはしていない。それに一切言葉を発していなくて、妻の側が一方的にひがんでいる。
この方はあえて旦那に喋らせていないのだけど、世の中の男性に対する非難が見て取れるような気がします。
夫婦間で対決することに何の意味があるのか
この作者は男女間、夫婦間の争いにしたがっている。
最後なんて妻が旦那に超過労働時間を請求して終わり。
まだ旦那のダメ人間な所が描写されているならまだしも、それがなにもない状態でいきなり請求される旦那はちと可哀想過ぎる。
この作者の根底には「男なんて、、」という被害妄想があるんじゃないかと思うのです。
解決策は旦那の睡眠時間を減らすという議論になるので、お互いがそれで良いならいいとおもうけど、そうじゃないでしょ。
少なくとも会社の問題を指摘するとか、コミュニティで助け合うとか、それこそ国の施策に物申すとかなんじゃないのかな。
旦那が、妻が褒められたら、それは嬉しいことなんじゃないでしょうか。素直に喜びましょう。たとえそれが誤解によるものでも、褒める側は大して意味があって言っているわけじゃないんです。
メディアに従事する人は、もう少し影響を考えて
こういうマンガ作品は、個別の事例というよりは、その事柄が表す事実を外に出すことで、問題提起しているのだと思うけど、今回はちょっと残念。
恐らく似たような境遇で、同じようにイライラしている人からしたら、自分だけじゃないんだとすっきりするかもしれない。
でも悪気もなく、割合としたら1割か、それ以下かもしれないけど育児に参加しようとしている男側からしたら、いい気分はしないよなと思ったり。
どうせだったら夫婦間のコミュニケーションの取り方とか、社会の、会社のどういう部分に問題があるのかとか、もう少し掘り下げて欲しい。
流しの公務員の冒険(おすすめ本)
本文とは関係ないけど、こういうシステム思考?というか、きちんと皆が幸せになれるよう努力することが大事だと思うのです。
久々にアタリの本でした。
マンガの作者にも、この本を読んで欲しい。
わっしょい