”利益”という、どうでもよい指標に振り回されるサラリーマン達

仕事・キャリア

利益。

会社においては何よりも優先されるこの利益という概念。「それは利益のためだから」と言われてしまえば泣く子も黙る、そんな魔法の言葉。

一応会社もそうではないミッションをそれなりに掲げていたりはするけど、それが本当に至上命題足り得るのか、結局のところ利益至上主義なのかは、中にいる人間だったらすぐにわかる。

もちろん利益がないと会社が存続できないのは当たり前の話だけど、だからって別に会社なんて潰れても良いという前提に立てば大して重要ではない、ということにみんなが気付かないのが不思議でならない今日この頃。

利益のために働いているんじゃない、自分のために働いているんです

もう少しみんな声高に、明確にこの認識を改める必要がある。

別に利益がいらないって言うんじゃない、利益を求めるなんていうのは、人間が食料を得るのと同じなんだから、あえて目的、目標に掲げるほどのもんでもないってこと。

みんなやりたいこと、面白いと思えることをやったらいい。本当にやりたくないことはやらなくていい。

それは別に自己中心的に生きるとか、そういうことではなくて、単に必要なことをするってこと。

そしてその方向性が会社と少しでも一致するように働けば、会社も細かいことは言わなくてもいいってこと。

そんなに難しい話でも、複雑な話でもない。

会社と、やりたいことの狭間で。

難しいのは、今まで「本当に重要な事は社会のために生きることです」ってことを教え込まれたおかげで、本当に自分のやりたいことを、自分で理解できていないってことかもしれない。

社会に必要とされる、いわゆる常識と呼ばれるものを、自分にとって必要なことと勘違いしてしまう。

自分がやりたいこと、やって喜びを感じることは何か。真剣に考える必要がある。別に難しいことじゃない。

データを集めてそれを整理し終わった時に喜びを感じるのか、営業してお客さんと関係を構築できた時に楽しいって感じるのか、一人で新しい企画をぼーっと考えているときにワクワクするのか。そんなこと。

 

問題意識なんて、社会のほうが押し付けてきた、作りばなしだよ。

至言。

まさにそのとおり。ただ多くの人はこの作り話をあたかも真実のように受け取ってしまう。そのうちそれがあたかも自分から作り出されたように錯覚しだす。

コンビニ人間というサラリーマン

いきなりなんだと思うかもしれないが、ここにサラリーマン世界の縮図がある。縮図を見ればどれだけ自分が愚かな行動を繰り返しているのかわかる。かもしれない。

コンビニ人間、芥川賞受賞作品。面白い。是非ご一読を

 

あらすじ。

大学のときからコンビニアルバイト一筋16年の独身女性。人間関係構築が下手。ルールどおりに振舞うのは得意だけど、慮る、忖度する、空気を読むみたいなことが一切出来ない。

指示があればただそれをやる。ただ指示に曖昧さがあるとそれを予測で補ったりということができない。

作中には記載がないけど、おそらく発達障害か何かなのではないか思う。

子供の頃から周囲が理解できない行動をする主人公には、家族も心配していて、だからコンビ二でもバイトを始めた当初は周囲も喜ぶ。

ただコンビニバイトだけで10年以上もとなれば周囲の目も変わってくる。

なぜ就職しないのか。なぜ結婚しないのか。これからどうするのか。

それでも、そんな彼女だから、マニュアルに縛られたコンビニという世界ではルールにしたがい、生き生きと活躍することが出来る。

社会の常識とぶつかるコンビニバイトという常識

この異常な行動をする主人公に発する言葉に「”から揚げ棒”を売ることがこの店で一番大切なこと」という台詞がある。(厳密な文言は少々異なる)

コンビニプロフェッショナルである彼女は、コンビニのために生きていると言っても過言ではない彼女は、この優先度が非常に高い商品に全力をかける。

それなのに周囲はから揚げ棒を軽く扱うという場面が起こる。

彼女は「あんなに大事な”から揚げ棒”なのに」「いつもはみんなもあんなに大事そうに扱っている”から揚げ棒”なのに」という、疑問を抱く。

ただ正直言って”から揚げ棒”なんて、人生の中の優先度で言えばかなり低いことは誰にもわかる。何か他に優先すべき、話すべき事項があれば、から揚げ棒なんて後回し。これはコンビニ業界で働く社員であっても同じ。

でもこのから揚げ棒と会社の利益は何が違うのだろう。

彼女は現代社会では生きていけない障害者という扱いなのだけど、結局のところ利益第一とのたまう会社人(我々)だって似たようなもんか、下手したらそれ以上に障害者なんじゃないか。

だって彼女は明確に彼女の中のルールにしたがって、コンビニの中においては”から揚げ棒”は大事で、他の雑事を持ち込まない。でも我々は時に「利益第一」といったり、「顧客第一」といってみたり、「社会貢献こそ重要」といってみたり。何となくその場を取り繕うことで生きている。

彼女のほうが余程シンプルに社会を生きている。

最後に

利益なんて、売り上げからコストを引いたあまりみたいなもん。

とりあえず生きていくという前提では必要かもしれないけど、自分を犠牲にするほどのもんではない。

この辺のさじ加減が、個人と組織を比べるとおかしくなる。

もっと自分に正直に生きてみようと思う今日このごろ。

農業でも始めるか。

 


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